技術レポート

鑑定

【コラム】幅員が4mに満たない道路

開発行為というのは、都市計画法上の用語で、「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」と定義されます。

 

区画形質の変更とは、「区画」の変更、「形」の変更、「質」の変更、つまり、土地の分割、造成、地目変更等のすべてが該当しますので、建築物の建築等を目的としてこられの行為を行う場合はすべて開発行為となります。

 

市街化区域内の場合、開発行為の規模が1,000m²以上(名古屋市など大都市圏では500m²以上)になると知事(指定都市、中核市、特例市は市長)の許可が必要となりますが、都市計画法をベースに各県、市において条例、指導要綱などで具体的な開発許可の可否の基準を定めています。

 

具体的には、各県、市の定める許可基準を確認する必要がありますが、接面道路の幅員が4mに満たない場合、開発行為が認められないことが一般的です。1,000m²を超える土地、大都市圏では500m²を超える土地、立地条件からマンション用地や事業用地としての一体利用の実需が見込まれる場合は別として、通常は、そのままでは規模が大きく総額がかさみ、市場性が減退するため、分割利用が合理的と認められますが、上記のとおり、この土地の分割も建物の建築等を目的とした場合には開発行為に該当します。ところが接面道路の幅員が4mに満たない場合、開発行為が認められませんので、分譲は不可能、つまり、不動産業者等が分譲目的で当該土地を取得することは考えられないということです。接面道路が建築基準法第42条第2項道路に該当すれば、建物の建築そのものは可能ですから、当該土地に自用の住宅などを建てることは可能です。ただ、合法的な使用方法は、概ねこの方法に限られることになり、土地の多くの部分が有効に活用されないことになります。

 

つまり、このような土地の価値は極めて低いものになるということです。

 

接面道路の幅員が4mに満たない規模1,000m²(500m²)以上の土地の価値は低い、市街化区域であれば、路線価が付されていることが通常ですが、路線価はこのような特殊な土地を前提に付されているわけではありません(周辺が戸建住宅地なら戸建住宅敷地に適した規模の土地を前提に付されています)ので、路線価と実際の時価とは著しく乖離します。

 

このような土地を取得した、あるいは保有しているということがありましたら、専門家である不動産鑑定士にご相談ください。

 

なお、以上は、市街化区域を前提にしていますが、市街化調整区域の場合は、面積に関係なく開発許可が必要ですので、結局、規模に関係なく、接面道路の幅員が4mに満たない土地については開発行為が認められないことになりますので、ご留意ください。

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