技術レポート

建コン

河川の基礎知識

1.河川の種類

河川については、河川法により区間を定めて管理する事になっており、管理区分により次の4種類に分けられます。

■一級河川

国土保全上、または経済上特に重要な水系で、国土交通大臣が管理しています。ただし、国土交通大臣が指定する区間については、都道府県知事が特定水利使用に係る許可を除く通常の管理を行う事が出来るとなっています。

■二級河川

一級河川以外で、公共の利害に重要な関係があるものを都道府県知事が管理しています。

■準用河川

一、二級河川における末端、またはそれ以外の単独水系において、河川法の一部を準用する区間として定めており、市町村が管理しています。

■普通河川

一、二級河川、準用河川以外の河川法の全く適用されない小河川で、市町村が管理しています。

なお、指定区間内の一級、二級河川については、市町村長はあらかじめ河川管理者と協議して、一定の河川工事や維持が出来る事となっています。

2.河川の等級

河川を横断している道路や線路の脇で『一級河川 庄内川』といった標識を見かけた事があると思います。

 

一級河川というと大きな河川をイメージされるかもしれませんが、必ずしも大きな河川が一級河川というわけではありません。一級、二級といった河川の等級は、河川法上、河川の管理者によって分けられます。

 

一級河川とは、一級水系に係る河川で、国土交通省の管理するものです。二級河川とは、一級水系以外で二級水系に係る河川で、都道府県の管理するものです。

 

では、この水系とは何でしょうか。降った雨が集まり河川となります。この河川が合流して大きくなり、河口まで達する網状の一連を水系といい、この水が集まってくる範囲を流域といいます。

 

一級水系は、どこまでも一級で、二級水系は、どこまでも二級となります。つまり、一級水系の上流のどんなに小さな河川でも一級河川であり、大きさは関係ありません。そして、一級河川の上流に二級河川が存在する事もありません。

3.堤内地・堤外地

堤防の内側を堤内地、外側を堤外地といいますが、川の中は内側でしょうか、外側でしょうか。こういった場合、人が住んでいる場所を基準に考えるので、川の中は外側、すなわち堤外地となります。

木曽三川の下流部には、洪水の氾濫から住居を守る輪中堤という堤防で囲ったものがありますが、これから考えれば、堤内地のイメージがつかみやすいでしょう。

4.堤防の右・左

水は高い方から低い方へと流れますが、河川でも同じ事が言えます。そのため通常は、山側の高い方を上流、海側の低い方を下流といいます。

堤防の右・左は、この水の流れる方向、すなわち上流から下流の方向を向いて、右側を右岸、左側を左岸といいます。

5.堤防各部の名称

堤防の各部分には色々な名称が付いています。堤内地側である裏法部と堤外地側である表法部に分けて説明します。

■裏法部(堤内地側)

堤防天端は、河川管理用通路として利用されますが、一般道路としても利用されています。堤防の法先を保護するために堤脚保護工、堤脚水路および犬走りが設けられています。この犬走りは、堤防の中腹に設けられている小段とは区別されています。

■表法部(堤外地側)

表法部は、堤防、高水敷および低水路に分けられます。堤防を保護するために設置されている護岸を高水護岸といい、低水路を保護するために設置されている護岸を低水護岸といいます。また、高水敷の幅が狭い場合に、堤防と低水路を一体的に保護するための護岸を堤防護岸といいます。

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