【記録】こんなことで認証取得できるのか
内部監査まであと1ヵ月(平成13年3月)
品質マネジメントシステムの運用が始まって3ヵ月。年度末という事もあって、仕事もピーク。疲労もピーク。ワーキンググループによって繰り返し行われる業務手順のシミュレーション。見直しにつぐ見直し。これで4月の内部監査に間に合うのだろうか。
内部監査(平成13年4月)
平成13年4月6日、18日
内部監査の実施。ひとまず完成にこぎつけた品質マニュアル、各部業務マニュアルおよび品質記録類を持って、内部監査に突入。ここで各部のISOに対する取り組みの違い、理解度の違いが歴然となった。品質文書を常に持ち歩き、暇をみつけては理解に努めていた部門長は難なくクリア。当然の事ながら部内での指導力も増すというもの。これらの結果は、専務に直ぐ報告された。
マネジメントレビュー・予備審査リハーサル(平成13年5月)
5月10日
マネジメントレビューの実施。当初、ワーキンググループを引っ張ってきたのが品質管理室長と専務。品質マニュアルのたたき台は、専務自らが作成。現状を目の当たりにした専務は、自分の熱意が十分に浸透していなかったと幹部クラスに「やる気のないやつは新日を去れ!」とメールで発奮。ISO理解度を判定する○×問題、記述式問題を全社員に実施させ、不合格者には重点教育を各部門長に義務付けた。以後、各部競うように会議室にて連日連夜の勉強会が行われるようになった。
5月23日
コンサルA氏、B氏による予備審査リハーサルが行われた。
審査にて
経営者は、審査員から指摘事項なし。完璧。品質管理室は、軽微な不適合1点指摘。まずまず。企画営業部は、軽微な不適合3点指摘。もう少し。補償調査部は、重大な不適合2点指摘。検証を実施すべきタイミングの理解不足を指摘。あわせて軽微な不適合5点指摘。ズタズタ。
オフィスツアーにて
技術部は、重大な不適合1点指摘。全般的な理解不足を指摘。ズタズタ。事業部は、リマーク1点指摘。まずまず。
審査員総評
技術部と補償調査部は理解不足だが、品質マニュアルをはじめとする各部業務マニュアルは、独自性があり評価出来る。このようなマニュアルは、市販の本でも見た事がなく面白いとの事。この総評に、品質管理室長も今までの苦労が少しは報われニンマリ。
5月下旬
ISO理解度試験を実施。○×問題40問(JISQ9001から25問、各業務マニュアルから15問)、記述式問題5問。100点満点中70点までが合格、不合格者は重点教育を強制的に受けてもらった。
勉強会・予備審査リハーサル・予備審査・社内副会合(平成13年6月)
5月23日の予備審査リハーサル以降、各部の追い込み、意気込みが会議室の予約状況からも感じられるようになってきた。これなら8月の本審査に間に合うかもしれない。
6月8日
コンサルA氏、C氏による予備審査リハーサルでは、軽微な指摘、およびリマークはあったものの、各部とも前回審査時より理解の度合いが数段進んだと評価を受けた。これは、クレーム情報に対する処理システムが機能し始めた事によっても実感出来た。
6月18日、19日
審査機関A氏、C氏他3名による予備審査。この予備審査の目的は、当社の理解や考え方が規格に適合しているか、漏れがないかの確認と、当社を審査機関の先生方に知って頂くためのもの。結果、多少のミスや考え方の相違等はあったものの、これはいけるかもしれないという感触をつかんだ。審査機関の先生方は、認証取得が出来るように、もっと良いシステムになるように好意的に接して下さった。
6月27日
ワーキンググループによる社内副会合。ミスの修正、考え方の統一等すりあわせを実施。大筋で間違いはなかった。ここへきて、やっとワーキンググループメンバーに安堵感が広がった。
マネジメントレビュー(平成13年7月)
7月25日
午後社内にて本審査リハーサルとしてマネジメントレビューを行った。各部で収集分析したデータを基に、本審査に向けた最後のすりあわせを行った。そして、トップ自ら意思統一を図った。ISOの認証取得は通過点にすぎない。我々の目的は、迅速・ていねい・確実に業務を遂行する事によって、顧客満足度を高める事である。それと同時に、仕事をする喜びを知る事でもある。そして、それに伴い受注が拡大し売上が伸び、社員が潤えばいい。