トピックス

ミニコミ 2017.05.26

第114号(2017年春号)

名古屋駅周辺ビル群の変化

弊社は名鉄山王駅から徒歩2分にある7階建てのビルが事務所です。そこは名古屋駅から南へ2㎞、金山駅からは北へ1.5㎞の中間に位置しています。私は、その7階で日々、仕事をしています。事務所北側の窓からはJRセントラルタワーズ、ミッドランドスクウェアをはじめ、笹島のグローバルゲート、愛知大学名古屋キャンパス、中京テレビのビルが眺められ、近年の高層ビル建設による街並みの変化は楽しみにもなっています。

弊社でもリニア中央新幹線の建設事業に関連して、測量や補償調査等の業務を担当させて頂くようになって以降、特に名古屋駅周辺のビル建設には非常に興味を抱くようになりました。どちらかというと人ごみを避けてきた性格ですが、名古屋駅周辺で新しいビルが完成し新規の店舗がオープンすると覗いてみたいと思うようになった自分に驚いている次第です。

事務所の窓からは、リアルタイムで名古屋駅周辺が大きく変化していることを実感でき、これは駅周辺のみならず全名古屋市、愛知、ひいては岐阜、三重、静岡を含む中部が大きく変わりつつあることを感じさせてくれます。

とはいえ、JR東海によるリニア中央新幹線駅が出来る事が最終目的ではなく、駅が出来てからが我々建設関連業にも大きなチャンスがあると考えています。

「長期的には建設関連事業は衰退」とは言われながらも大きな変化のなかにはチャンスが潜んでいるはずです。このチャンスを自らの手で活かさなければなりません。

事務所の南側は金山駅なのですが、現時点では事務所南側の窓からは街並みの変化は見られません。しかし、金山駅周辺も名古屋駅に対抗し開発ムードが高まってきているようです。あと何年かすれば金山駅周辺ビル群の変化も事務所南側の窓から眺められるかもしれません。楽しみにしております。

借家人が施工した造作等の耐用年数

借家人が施行した造作等については、『公共用地の取得に伴う損失補償基準細則』第一五 1 (七)で「借家人が付加した造作又は増築部分であって建物の本体及び構成部分として建物に符合するものに係る移転料は、建物所有者に補償するものとする。」となっていますが、業務においては建物所有者と借家人の合意の下、図面等を用いて所有区分を確認した後に借家人が施工した造作等については借家人に補償するものとして算定を行うことが一般的となっています。

算定にあたっては、まず借家人が施工した造作等の推定再建築費を求めます。建物所有者と借家人が施工した部分の数量を分ける作業となり、多少手間が掛かるものの図面から数量を計算する作業ですので特に難しいものではありません。問題となるのは推定再建築費に乗ずる補償率を求めるための耐用年数を、どのように設定するかと言うことです。

造作等の耐用年数については、補償基準や標準書で決められたものはなく、業務毎に発注者との協議または指示により算定を行っているのが現状です。

考え方として、

  • 建物本体と一体であるから建物本体の再築補償率に準ずる。
  • 耐用年数は建物本体の値を採用し、経過年数は造作工事が行われた時点からの年数で再築補償率を計算する。
  • 造作工事が行われた時点から建物本体の耐用年数満了時までの期間を造作等の耐用年数とし、再築補償率を計算する。
  • 建物の耐用年数は構造部材別に設定されたものであり、造作等に準用するには期間が長すぎる。また建物の耐用年数満了時まで借家契約が継続するか不確定な状況であるため、建物ではなく工作物扱いとし、木製、鋼製、設備等、工作物の区分に応じた耐用年数とし再築補償率を計算する。

 

等がありますが、同じ造作であっても建物所有者が施工したものと借家人が施工した造作とで耐用年数の扱いが異なることについて、補償の公平性を保つためにも、今後、何らかの統一した考えが示されることが期待されます。

資格取得後は?

資格取得のため受験した資格が直に活かせる業務であれば有効なのでしょうが、中々活かせるもので無かった場合、どう活かしてらっしゃいますか?

そもそも「仕事に直結しない資格を受験してもどうか?」との話もありますが、社内で資格を取得された方がいて興味を持ってしまったビオトープ施工管理士2級。受験に挑み受け続けること足掛け3年。何とか合格した一昨年。喜んだものの仕事に直結する資格ではありません。さて、如何なるものか…。

微力でも良いから少しでも活かしたいとの思いから活動した又は活動している内容を記したいと思います。

合格交流研修→横浜にて。他の合格者の経歴、活動内容や受験動機等の発表やディスカッション形式の交流。

第18回総会→ウィル愛知にて。東海エリアで活動するビオトープ・ネットワーク中部の総会。会の活動内容を聞く。貝砂の中から絶滅危惧種となっている微小貝を探す実践。マキモノガイ、スジウネリチョウジガイ、シラギク等発見。及びディスカッション。

研修会→フィールド体験。東邦ガスエネルギー館見学及びビオトープ池での実習。何種類ものヤゴ、貝、昆虫の調査。

私が参加できたものはこれだけでしたが、他に東山動植物園でイベント参加補助。愛知教育大学付属幼稚園の池さらい。岡崎市、弥富市に於いて田んぼの生き物観察会。豊田小学校で夏休み昆虫標本作成。名古屋環境大学での講座。戸田川緑地研修会。会としてはビオトープに関する講師の派遣。ビオトープ管理士試験の対策講座の実施。学校・園庭ビオトープ作りの指導や講演。全国学校・園庭ビオトープコンクールにおいては、井上幼稚園(豊田市)が文部科学大臣賞。上鷹見小学校(豊田市)、船島小学校(東海市)が国土交通大臣賞。秦梨小学校(豊田市)、須恵野小学校(岡崎市)、五ケ丘東小学校(豊田市)が環境大臣賞を受賞しています。ご存知の学校はありましたでしょうか?

会自体の活動ではありませんが『なごや外来種を考える会』として『なごらい』が発足し外来種の駆除・啓発・情報活動を行っているのを協同、連携活動しています。ここでは、外来生物であるザリガニやヒメジョオンを食したりオオキンケイギク、オオバナイヌタヌキモ、トウネズミモチ等の駆除を実施したりしています。春になり歩道の植栽の直ぐ脇に綺麗なオレンジの花を咲かせているナガミヒナゲシも、実は旺盛な繁殖力と他の植物の成長を阻害することで駆除が望ましいとされている植物なのです。

そして新年度。

第19回総会→ウィル愛知にて。会の報告。造園屋さんのビオトープ管理・ビオトープ管理士の活かし方の講演。チリメンモンスターの選別。これは白米のお供として昔から日本に馴染みのあるちりめんじゃこ(イワシ類の稚魚)を水揚げした中に混じっている様々な海洋生物の事で、今回は和歌山の未選別のものを使用。カタクチイワシは勿論のこと、タツノオトシゴ、カワハギ、イカ、タコ等を発見。

これらの知識は資格を取得するまでは気が付かなかった事ですが、とても身近にある出来事でした。そしてこれを少しでも多くの方に知ってもらい、生活の中に自然の変化を感じて何が出来るのか気づいてもらえればと思った次第です。

2010年に名古屋市で生物多様性条約COP10が開催され、その時に約束された愛知県の目標一つ目の達成年は東京オリンピック開催の2020年であり目が離せません。

本業の仕事に関しても疎かにできませんが、少しでも知識を増やし自分の出来る事を増やしていきたいと思っています。

さて次は、5月に新たな資格の試験。頑張ります。

★かまいしだより№15

気付けば4年目に突入

釜石に来て、この春で丸3年が経ちました。春だというのにまだまだ肌寒い日が続きます。3年もいるのにまったく東北の寒さには慣れません。逆に年々寒がりとなっているような気がします。

さて、昨年から弊社の嬉石松原地区の主担当者が、名古屋本社へ転勤になり、残された私が嬉石松原地区の設計業務の担当となりました。それまでは東部地区を主に担当していましたので、これまでの経緯や問題点、現在の状況などわからない点が多く、発注者や施工業者からの質問や相談などの対応が大変でした。名古屋本社にいる前担当者と連絡を取り合い、なんとか対応しました。また、担当者としてJV会議、調整会議などのさまざまな会議へ出席することが多くなりました。

嬉石松原地区の復興事業の進捗状況ですが、昨年より整備が終わったところから、宅地の引き渡しが始まりました。引き渡しの早かった松原町では、自宅再建のための建築工事を目にするようになりました。残る嬉石町の方も平成29年度内の工事完了に向けて進めています。さらに復興公営住宅も続々と完成し入居が始まっている状況です。

嬉石松原地区だけでなく、東部地区の設計業務も引き続き担当しています。東部地区について昨年は用地買収を行った箇所の造成設計や再分譲のための説明資料の作成などがありました。嬉石松原地区の区画整理と違い東部地区では用地買収後に宅地整備を行い地権者の方へ再分譲を行うものです。昨年の秋頃には地権者への個別説明会を役所の方々と一緒に行いました。弊社も支店職員全員が協力し対応しました。なかなか貴重な経験ができたと思っています。

嬉石松原・東部の両地区の設計業務だけでなく復興事業以外の新規業務や補償調査部が行っている工事に伴う工損調査等も時々手伝っています。

しかし人員が足りず、名古屋本社からの応援もなかなか難しく、支店内で調整し行っています。

釜石での復興事業を通して、様々な人と関わっています。多くは地元ではなく派遣されて来たりしているため、毎年春になるとガラッと顔ぶれが変わります。休日にはボランティア活動や地元の祭りへの参加など、業務以外での関わりも多いです。

東北支店では人はあまり多くないため、若手の職員であってもそれぞれが各業務を担当し責任をもって遂行しています。これからもどんどん若手職員がこのような事業に携わっていってほしいと思います。

福島県への勤務となって

今年度の4月より福島県内で働くことになりました。福島県には、昨年度中間貯蔵施設用地調査の調査サポートとして1度訪れたことがありました。こちらに来てまだ数週間ですが、福島県の第一の感想は朝夕とも地元に比べて気温が低いことで、同じ国内で同じ時期でも気温差があることを実感しています。また福島県は浜通り、中通り、会津と3地域があり、福島県について知らないことが多々あることを恥ずかしく思いました。

東日本大震災から6年が経過し、私の6年前はどうだったかを振り返ってみました。6年前の3月11日は、職場で作業をしている時に揺れを感じたことを覚えています。その後、東北地方で東日本大震災があったことを報道等で知ることになりました。その際、国内で大変なことになっていることに非常に心が痛み、もし、私が同じ状況に立たされたらどうだろうと思ったことを今でも覚えています。その際、どんな形でも震災にあった地域で復興の仕事に携わることがあれば、いつでも東北へ行く覚悟を決めていました。

この度、4月より福島県内で河川・海岸事業のCM業務に携わることになりました。前年度から継続して業務に携わっている2名と私の計3名でCM業務の中の用地部門を担当しています。用地CMの主な役割は、震災により被災した河川・海岸の堤防を復旧するための用地取得に伴う事業認定申請図書作成業務の管理及び用地補償総合技術業務の管理を行い、用地取得を円滑に進め、1日でも早く復旧工事を完成させることにあります。

CM業務に携わるのは初めてであり、各作業の手順、対応、回答、各担当課・業者の打合せにおいては、戸惑い等もあります。各作業において疑義等があれば、用地CM内にて協議、確認し、業務をスムーズに進められるように考えています。

先日、業務箇所(双葉町)の現地踏査に行き、海岸築堤予定箇所を確認しました。東日本大震災により海岸堤防や河川堤防が破堤している箇所、道路が寸断されている箇所、道路のガードレールが曲がっている箇所等を目の当たりにし、震災の凄さをまざまざと感じさせられました。今回、私が現地を確認した箇所はほんの一部だと思います。震災被害の大きかった箇所が多々あると思うと、改めて自然災害の凄まじさを感じました。

当日は、浜通り特有の暴風が吹き荒れる中、測量の観測をしている姿が見られました。暴風の中での測量作業は、風による測量機器の転倒等が考えられるため、東北地方の測量業者の方々は厳しい現場環境で作業を行っていることを知らされました。

東北の震災復興は各地で着々と進んでいると思われます。私はまだ福島県に来たばかりですが、震災復興の一員としてまず現在の業務を着実に遂行し、日々の努力、勉強を忘れず、また自分らしさを忘れずにこの福島の地で頑張る所存です。

釜石市に一年

寒い冬も終わり、釜石にも桜の季節がやって参りました。麓は多くが葉桜へと変わっていますが(4月28日時点)、山に囲まれた釜石では高い所にある桜が未だ私の目を楽しませてくれています。釜石と名古屋との季節感のズレを改めて感じているところです。

私は寒さが苦手な体質で、東北の冬は寒いと聞いていましたので冬を越せるかどうか相当心配していました。しかし、海沿いの釜石は比較的温暖な気候で雪も少なく、路面が凍ったのも市内では数える程度でした。その一方で遠野や盛岡など内陸の方は寒い上に雪が多く、用地買収のために雪道も運転しましたが、圧雪の上を通るたび大変緊張しました。幸いにして大きな事故もなく、冬の間も風邪らしい風邪も引かず、なんとか乗り切ることができました。(しかし、そう安心していたら今になって風邪をひいてしまいましたが…。)

私はもうすぐ釜石に丸一年居る事になります。たった一年の間ですが釜石は大きく変わってきました。津波事業区域での盛土工事が本格的に始まったためです。私の身長よりずっと高くまで土を盛り、圧迫感さえ感じます。

工事の方が本格化したことから、私たち東北補償部の業務内容にも変化がありました。今までは用地買収等に掛かる物件調査が主でしたが、去年の秋・冬から工事区域の近隣建物に対する地盤変動影響調査が主な業務に変わっています。今は事前調査ばかりですが、早い時期に工事を行ったエリアでは事後調査の言葉もちらほらと出てきているところです。

嵩上区域に掛かる買収用地について、残っている用地も土地数としてはあとわずかです。ただし残すのは二次相続があるところなど複雑なところばかりのようですから、昨年度は契約に至った数はそれほど多くはありませんでした。また今年度に入り、この用地買収に掛かる釜石市役所の担当職員の大幅な入れ替えがありました。昨年までの担当者は震災復興のための応援職員が多かったためです。新任担当の方々は用地買収経験者が多いとはいえ、事業毎や区域毎、なにより権利者毎に抱えている事情が異なりますから、なかなか苦労をしているようです。

盛土工事がすべて完了するにはまだ時間が掛かるようですが、住民が建物を再建するのはそのあとです。家が建ち並ぶまでにはさらに時間を要します。

本当の釜石復興はまだまだこれからです。その頃には私は釜石にはいないかもしれませんが、遠くからでも復興の行く末を見守りたいと思っています。

編集後記

今年も気温が25度を超えるようになり、クールビズが始まりました。この時期は、朝晩と昼の気温差が大きく、体への負担が大きいのに加え、職場での異動等環境の変化も大きいので、体調を崩さないように十分気を付けていただきたいと思います。

今年は金城ふ頭に日本初のレゴランドが開園しました。ここのすぐ横には、今年の11月に当社が出展予定しているメッセナゴヤ2017の会場があります。メッセナゴヤは当社の若手社員を中心に出展準備を始めており、どの様なものになるか今から楽しみにしています。そして、これらの活動がプレゼンテーション力の育成となり当社の技術力向上に役立っています。

6月には当社では恒例となっている献血活動があります。輸血は現在でも血液の機能を完全に代替出来る手段が存在しないため、医療において欠かす事の出来ない治療法となっています。このため、必要な血液を確保し続けなければ、現代医療は成り立たないのです。新鮮な血液の確保はそれほど重要な事なのです。今年で連続36年目になる献血活動を通じて社員は命の大切さを考え、社会に貢献していく事の必要性を実感しています。

当社は、業務のみでなく、様々な方面に目を向けながらコンサルタントの使命である社会貢献活動のあり方を考え続けてまいりたいと思います。

CONTACT US

お問合わせ

建設、補償調査、土地区画整理、
市街地再開発、建築設計、測量、鑑定など
街づくりに関わることは
お気軽にお問い合わせください。